課題の進め方と評価法(2024年度版)

各授業の各回レポート課題や中間課題・最終課題について、自分で課題を進める方法と、それを評価する上での一般的なルールを示します。ただし、配点はこの投稿をした時点での想定であり、最終的な配点を確約するものではありません。なお、演習(ゼミ)はここに含みません。ゼミについては、ゼミの項目を別途参照ください。

課題の進め方

著作権やライセンス

各回レポート課題や中間課題・最終課題を進める中で、Webを始めとしたオンラインに置かれた他者が作成したリソースなどを使いたくなることがあるかもしれません。

他者の著作物の利用をする際には、学校外での著作物の利用ルールにしたがって利用してください。著作権法では、基本的に適正な引用や著作者による許諾が必要です。たしかに学校内では著作権の制限(著作権者が著作権を主張できないルール)があります。しかし、学習支援システムを含むオンラインの仕組みを通じて利用する場合には、このルールは原則として適用されません。適用するためには教員が個々の著作物について申告する必要がありますが、皆さんのすべての利用を追跡して申告することは不可能です。

また、著作権の他にも、各種のライセンスが示されたものもあるかもしれません。その場合にはライセンス保有者の指示にしたがってください。その他の知的財産権に関係するものについても同様です。多くの場合、利用するには有償となるでしょう。

有償のライセンスを得ることが難しいのであれば、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスなどの無料のものを使ってください。なお、クリエイティブ・コモンズを使う場合には、ライセンスが指示する範囲で使い、ライセンス表示を必ずしてください。

各回レポート課題

各回レポート課題の趣旨は、あくまでも理解度の確認です。したがって、少しずつステップアップするつもりで取り組んでください。

各回レポート課題は、受講生の間で教え合って構いませんし、誰からでも教わって構いません。ただし、その場合には課題を教え合った相手や教わった相手の名前を明示してください。それによって減点することはありません。

検索などにより、調べて用いても構いません。ただし、自力で書いていないプログラムコードなどがある場合には、参考文献などを明示しなければなりません。前述の著作権の扱いと同様です。

いずれの場合でも、理解せずにただ写すことは厳禁です。

前述のように、教え合う、教わる、調べて分かった場合には、その旨をレポート内または課題提出の際にコメント中で明記してください。明示されていなければ減点します。ただし、私(森)から教わった場合は明示する必要がありません。減点の点数は、状況により異なります。完全な転記の場合は0点です。繰り返される場合には剽窃と扱います。

課題の中には、正解が1つしかない場合や多くの人が似た結果になる場合もあります。しかし多くの課題は、人それぞれの癖が出て似るはずがないようにしています。見ただけでコピー元があると分かることもよくあります。余程のことがない限り、厳密に比較するなどの確認をしませんが、コピー元の存在を疑う場合には調査します。その場合、どのような状況でそのような結果になったのかをお尋ねする場合があります。

中間課題・最終課題

中間課題や最終課題は、基本的に個人で進めてください。課題の内容も、他者とは関係なく自分の力で進めなければならないものになっているはずです。

とはいえ、授業時間内での交流などによって他者の意見やコメントおよびアイディアを取り入れることは構いません。例えば、上手く動作しなかったプログラムコードの直し方を教わって修正することは問題ありません。

また、一人はどうしてもできなくなったときは、他者を頼って構いません。その場合は、各回レポートの項目と同様に頼った相手を明示することに加えて、その相手の貢献がある部分を明示してください。頼ったことによる減点はありません。ただし、各回レポートと同様に明示がない場合や他者の貢献のみで構成されている場合には減点します。

課題の評価法

配点や計算方法はつぎのとおりです。

点数配分と評点

各回レポート課題

すべての各回レポート課題は10点で採点します。課題ごとにチェック項目があり、各項目を満たさない場合には、基本的にそれぞれ3点ずつ減点します。ただし、内容に依存して1点から3点までの幅を持たせることがあります。0以下にはならずに1点は残ります。

減点法を採用する理由は、採点を柔軟にするためです。配点法を採用した場合、各回の内容に応じてチェック項目数が異なることから、同じ項目でも点数を変えなければなりません。その項目の重大さと点数のバランスがレポート間でとれなくなります。また、配点法でも結果的に状況依存の減点をしなければならなくなります。そこで、一貫性と明瞭性の観点から減点法を採用することにしました。

さらに、本学の成績基準の細かさへの対応が必要なことも要因です。10段階(D, Eを含めると12段階)という細かさのため、最終的な成績評価においてこの段階に収まるようにする必要に迫られています。もちろん、S, A, B, Cのみでの評価も可能とされていますが、A+になれる可能性のあったAを出すのは忍びないと考えています(もちろんAだったはずの評価がA-になるという可能性もあります)。

中間課題と最終課題

中間課題は、20点で採点します。減点法はレポートと同様です。

最終課題は、30点または60点で採点します。減点法はレポートと同様です。

中間課題と最終課題の観点は、3つあります。それぞれの観点が基本的に同程度の配点であると想定してください。課題の内容が制作の場合でもレポートの場合でも、チェック項目が異なるだけで考え方は同じです。次のとおりです。

一貫性
論理的に一貫していて誤りがないことを意味します。制作であれば、動作不良や機能の欠落がないことを指します。レポートであれば、論理的な飛躍のない説明ができていることを指します。この中には、他者の貢献や参照した文献の引用が含まれます。
有用性
使いたくなることや、使うと便利であることを意味します。制作であれば、その制作物の想定対象者に適する度合いを指します。レポートであれば、その説明や論考に一般性や想定読者に対して有意義であることを指します。
独創性
唯一もしくは独自であって、それが有意味であることを意味します。制作であれば、同種のものがない珍しさを指します。ただし、必ずしも珍しさの強さではなく「その使い方は思い付かなかった」というもので構いません。レポートであれば、その論考がこれまでにないことを指します。ただし、突飛な発想を求めている訳ではなく、着実に先行事例や先行研究との差分を示して違いを説明することを重視します。つまり、参考文献を引用して差異が議論できることを求めています。

成績に反映する計算法

各回レポート課題は、課した回数を\(N_r\)、\(n_r\)番目の点数を\(r_n\)、成績全体に対する配分率を\(p_r\)%とすると、各回レポートの総合成績\(R\)の点数は次のように計算されます。

$$R=\frac{p_r}{10N_r}\sum_{i=1}^{N_r}{r_n}$$

中間課題は、課した回数を\(N_a\)、\(n_a\)番目の点数を\(a_n\)、成績全体に対する配分率を\(p_a\)%とすると、各回レポートの総合成績\(A\)の点数は次のように計算されます。

$$A=\frac{p_a}{10N_a}\sum_{i=1}^{N_a}{a_n}$$

なお、成績全体に対する配分率は、授業の進め方を参照してください。

提出期限

課題の提出期限は、個々に授業中に示します。目安として、各回レポート課題の提出期限は授業日からおよそ3日から5日後です。中間課題と最終課題は、1週間から2週間です。各回レポート課題は、努力目標として次回までに評価して返すことにしています。

提出後に評価を返します。減点した場合には理由も返します。達成できなかった部分だと考えてください。点数の良し悪しに注目しても意味がありません。減点対象は次回以降で達成しなければならない部分ですから、最終課題までに達成できるようにしてください。

再提出はできません。ただし、提出期限内であれば何度でも再提出可能です。

期限を過ぎて提出した場合にも受け付けます。ただし、3点の減点します。期限を過ぎて提出されたものに対しては、場合によっては採点が遅れます。学期末までには評価します。